日食とサロス周期

先日(6月10日)、カナダからロシアにかけて金環日食が観測されました。コロナ禍以前は、海外で見られる日食の観測ツアーも多く企画されていました。気軽に海外へ行けない中で、日食を現地で見るということも難しい…しかし、日食は周期的に起きる!チャンスはまた来る!

日食は新月の時に起きる天体現象であるが、新月になれば必ず起きるというものでもない。白道(地球から見た月の通り道)が、黄道(地球から見た太陽の通り道)に対して約5度傾いているために、白道と黄道が交差する新月の時しか起こらない。天文用語を使えば、朔望月と交点月の公倍数ごとに日食が起きるということである。

朔望月(さつぼうげつ):
月の満ち欠けの周期。新月から次の新月までの期間。約29.5日。

交点月(こうてんげつ):
黄道と白道の交点を通った月が再び交点へ戻ってくる期間。約27.2日。

同じ状況下で日食が起きる、このような周期をサロス周期という。その周期は約6585.3日(≒18年と11日)となっている。正確に言えば、地球の自転の影響で、1サロス周期ごとに地上から日食の見える場所が西に約120度移動する。そして、3サロス周期(≒54年と33日)でほぼ元の場所で見られるのである。